はじめに
はじめまして。20年以上、テレワーク・リモートワークという働き方を続けている「テレワーク・ノート」です。
このページでは「これからテレワークを始めたい」「始めたけれど、どうも効率が上がらない…」と感じている方に向けて、僕がこれまでの試行錯誤の末にたどり着いた、生産性高く働くための7つのポイントをお伝えします。
「なんだか集中できない」「ついダラダラ仕事をしてしまう」といった悩みは、多くの人が通る道です。僕自身も最初は失敗の連続で、働く時間ばかり伸びて睡眠不足になり、逆に集中できなくなる悪循環を散々経験してきました。
この記事が、あなたのリモートワークをより快適で生産的なものにするお役に立てれば嬉しいです。
リモートワークで生産性は本当に上がるのか?
「リモートワークは生産性が下がる」という話を、あなたも一度は耳にしたことがあるかもしれません。
データが示す現実: 4割強の方が生産性の低下を実感
2020年にアドビが実施した調査によると、オフィス勤務から在宅勤務に切り替わった際の結果は以下の通りでした。
- 生産性が上がったと感じた方:21%
- 生産性が下がったと感じた方:43%
つまり、2人に1人近くの方が生産性の低下を実感しているのが現実です。

在宅勤務を経験した日本人のうち43%が「勤務環境が整っていない」(68%)、「集中しづらい」(46%)、「同僚からの協力が得られにくい」(33%)といったことから「在宅勤務は生産性が下がる」と回答し、「生産性が上がる」と回答した21%を大きく上回る傾向を示しました。
出典: アドビ、グローバル調査「COVID-19禍における生産性と在宅勤務に関する調査」を発表
生産性低下の主な原因
「生産性が下がった」と回答した方の理由を見ると、以下の順となっています。
- 勤務環境が整っていない(68%)
- 集中しづらい(46%)
- 同僚からの協力が得られにくい(33%)
この調査は、テレワークやリモートワークへの移行が急速に進んだパンデミック初期のものですが、「環境」や「集中力」といった要因は今も変わらない重要なポイントです。
オフィスは「仕事をする場所」として最適化されているのに対して、自宅は本来リラックスする場所。オンとオフの境界が曖昧になりやすい環境で、いかに集中力を維持し、生産性を高めていくか——それがリモートワークの鍵となります。
生産性の低下を回避し、集中して働くために何が必要なのか
僕自身も、今でこそ快適に働けていますが、過去には失敗も数多く経験しました。
特にテレワークを始めたての頃は、効率が悪くても仕事量は変わらないため、ずるずると労働時間が延びて睡眠時間が減少。その結果、さらに効率が落ちるという最悪の悪循環に陥ったこともあります。
「このままでは心身ともに壊れてしまう」と危機感を覚え、そこから僕の試行錯誤が始まりました。時間管理術、環境整備、コミュニケーションの工夫…思いつく限りのことを試した結果、生産性を高く保つためのいくつかの「型」が見えてきました。
今となってはごく自然に実践していることばかりで、「なんだか当たり前のことばかりだな〜」とも感じるのですが、この「当たり前をどれだけ仕組み化できるか」が、生産性と健康を両立する鍵になっていると感じています。
リモートワークで生産性高く働くための7つのポイント
1. 集中力を「作る」ための作業環境整備
「意志の力で集中する」のには限界があります。だからこそ、集中せざるを得ない物理的な環境を先に整えてしまいましょう。
仕事専用のスペースを作る
書斎がなくても構いません。リビングの一角でも良いので、「ここは仕事以外しない」というスペースを物理的に区切りましょう。小さなパーテーションを置くだけでも意識が変わります。
身体への投資を惜しまない
長時間座る椅子や、視線の高さを合わせるPCスタンド・モニターは、生産性と健康への投資です。特にデュアルモニターは作業スペースが単純に2倍になり、生産性を大幅に向上させるので強くおすすめします。
雑音をシャットアウトする
生活音や家族の声が気になるなら、ノイズキャンセリング機能付きのヘッドフォンやイヤホンは必須アイテムです。
2. ゴールを見失わない明確な目標と計画
リモートワークで自分のリズムを崩さずに、安定して仕事を進める羅針盤となるのが目標と計画です。
一日の始めに「今日のゴール」を決める
その日、何をどこまで終わらせればOKなのかを箇条書きで明確にします。これにより、一日の見通しが立ち、集中力も維持しやすくなります。
タスクに優先順位をつける
「緊急かつ重要」「重要だが緊急ではない」といったマトリクスでタスクを整理し、最も重要な仕事から手をつける癖をつけましょう。
「ゴールが曖昧=終わりがわからない」と生産性は一気に下がります。可視化するだけで集中度は大きく変わります。
3. 「見えない不安」をなくすコミュニケーション手段の確立
リモートワークで陥りがちなのが、孤独感や「職場でともに働いている他の人が何をしているかわからない」という不安です。これを解消するため、意図的なコミュニケーションが不可欠になります。
ツールの使い分けを定義する
チーム内で「急ぎの要件は電話」「相談事はビデオ会議」「情報共有はチャット」など、連絡手段のルールを明確にしておくと、コミュニケーションにまつわるストレスが減ります。
こまめな進捗報告(アウトプット)
たとえ完成していなくても、「〇〇をここまで進めています」とチャットで共有するだけで、チームに安心感を与え、自身の作業記録にもなります。
チームで働くときは特に、連絡の粒度や頻度を揃えるだけでストレスが大きく減ります。
4. 自分だけの「働き方ルール」を作る時間管理と自己管理
リモートワークにおいては「オフィス = 仕事をする場」という明確な場所の線引きがない分、自分を管理するための「マイルール」が非常に重要になります。
始業と終業の儀式(ルーティン)を決める
「朝はコーヒーを淹れたら仕事開始」「終業時はPCをシャットダウンして散歩に出る」など、オンとオフを切り替えるための儀式を作りましょう。
ポモドーロ・テクニックを活用する
ポモドーロ・テクニックは、「25分集中+5分休憩」を1セットとして繰り返す時間管理術です。25分という短いゴール設定が集中力を維持しやすく、驚くほど作業が進みます。「時間の使い方を可視化すること」で、長時間ダラダラ働くのを防ぎ、集中して仕事を進められます。
5. 邪魔されない「集中モード」を死守する
一度途切れた集中力を取り戻すには、大きなエネルギーが必要です。集中は意志ではなく「仕組み」で維持するのがおすすめです。
自分の「ゴールデンタイム」を把握する
午前中が一番集中できるのか、それとも午後なのか。自分の集中力の波を理解し、最も頭を使う重要なタスクをその時間に割り当てましょう。
「頭が冴えている時間に何をするか」で生産性は大きく変わります。
家族や同居人との協力体制を築く
「この時間は集中したいから、緊急時以外は話しかけないでほしい」と事前に伝えておきましょう。ドアに「集中中」の札をかけるなど、視覚的に伝えるのも有効です。
6. 客観的な視点を取り入れる定期的な振り返り
一人で仕事をしていると、どうしても独りよがりな進め方になりがちです。定期的に立ち止まり、軌道修正する機会を設けましょう。
上司や同僚と1on1の機会を持つ
成果や課題についてフィードバックをもらうことで、客観的な視点を得られ、次のアクションが明確になります。
週次・月次でセルフレビューを行う
週末に15分だけ時間をとり、「今週うまくいったこと(Keep)」「問題点(Problem)」「次に試すこと(Try)」を書き出す(KPT法)だけでも、着実な改善に繋がります。
小さな振り返りを積み重ねることで、自分の作業環境や進め方を少しずつ改善できます。
7. パフォーマンスの土台となる自己ケアと健康維持
リモートワークは、通勤がない分、意識しないと深刻な運動不足に陥りがちです。心身の健康こそが、最高のパフォーマンスを発揮するための土台です。
意識的に身体を動かす
昼休みに散歩をする、スタンディングデスクを導入するなど、日常生活に運動を取り入れる工夫をしましょう。
生活リズムを整える
- 適切な睡眠時間の確保
- バランスの取れた食事と規則正しい食事時間
- ストレス管理とリラックスタイムの確保
デジタルデトックスの時間を設ける
終業後や休日は、意識的にPCやスマートフォンから離れる時間を作り、心と目を休ませてあげましょう。
体調管理はリモートワーク最大の投資。「心身のコンディション=最大の生産性向上ツール」と言っても過言ではありません。
まとめ:まずは一つから、試してみませんか?
リモートワークは「フレキシブルな働き方」である一方、働き方をどのようにデザインするかで成果が大きく変わってきます。
ここまで7つのポイントをご紹介しましたが、すべてを一度にやろうとすると大変かもしれません。まずは「これならできそう」と感じたものを一つ選んで、明日から試してみてください。
小さな変化の積み重ねが、あなたのリモートワークをより快適で、創造的なものに変えてくれるはずです。
ご紹介した7つのポイントを押さえるだけでも、生産性を下げずに働ける体制を整えることができるはずです。何よりも大切なのは、この「当たり前をどれだけ仕組み化できるか」です。
20年間のリモートワーク経験を通じて確信しているのは、適切な方法で継続的に取り組めば、リモートワークの生産性は確実に向上するということです。
あなたのリモートワーク生活がより充実したものになることを心から願っています。
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